1979年世界 20世紀
マーガレット・サッチャーがイギリス史上初の女性首相に就任——1979年5月4日、総選挙の投票から翌日のことだった
日付と暦
- 原典表記
- 1979年5月4日(グレゴリオ暦)
- 換算
- 1979-05-04(グレゴリオ暦)
- 掲載日
- 5月4日のページ
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概要
1979年5月4日、マーガレット・サッチャーはロンドンのバッキンガム宮殿で女王に謁見し、新政権を組織するよう要請を受けて、これを受諾した[SRC-02110]。前日に投票が行われた総選挙で保守党が勝利し、他党の合計を43議席上回る過半数を獲得したことを受け、サッチャーは前任のジェームズ・キャラハンから首相職を引き継いだ[SRC-02113][SRC-02114]。宮殿から戻ったサッチャーは、ダウニング街10番地の外で記者団に対し、聖フランチェスコの祈りの言葉を引用する短い発言を行った[SRC-02110][SRC-02114]。サッチャーは、イギリスの歴史上初めて首相の職に就いた女性である[SRC-02113][SRC-02114]。
本文
総選挙の結果が判明していくなか、サッチャーは1979年5月4日午前11時20分ごろ、フラッド・ストリート19番地の外で、いつ女王に謁見するのかと問われ、「辛抱、辛抱」["patience, patience"]とだけ答えた[SRC-02112]。フィンチリー選挙区の開票はすでに終わり、同日未明、サッチャーは下院議員として再選されていた[SRC-02111]。
その後、サッチャーはバッキンガム宮殿へ赴き、女王に謁見した[SRC-02110]。宮殿から戻ったサッチャーは、同日午後4時8分ごろ、ダウニング街10番地の外で「女王陛下が新政権の組織を要請され、私はこれを受諾した」["Her Majesty The Queen has asked me to form a new administration and I have accepted"]と述べた[SRC-02110]。続けて聖フランチェスコの祈りの言葉を引用し、「不和のあるところに、調和をもたらすことができますように。誤りのあるところに、真実を。疑いのあるところに、信仰を。絶望のあるところに、希望をもたらすことができますように」["Where there is discord, may we bring harmony. Where there is error, may we bring truth. Where there is doubt, may we bring faith. And where there is despair, may we bring hope"]と述べた[SRC-02110][SRC-02114]。内閣人選を問われたサッチャーは、「今日中には発表しない。明日の夕方までには、いくつかお知らせできると思う」["certainly not today. I hope to have some news by tomorrow evening"]と答えた[SRC-02110]。
歴史的背景
サッチャーは、1975年の保守党党首選挙でエドワード・ヒースを破り、党首に就任していた[SRC-02113]。1979年の総選挙は、労働党のジェームズ・キャラハン政権下で前年の冬に相次いだ大規模な労働争議(いわゆる「不満の冬」)を背景として行われたと、ブリタニカ百科事典は記す[SRC-02115]。総選挙の結果、保守党は339議席を得て、労働党269議席・自由党11議席・アルスター系政党12議席・民族主義政党4議席という他党の議席合計を43議席上回る過半数を獲得した[SRC-02114]。
タイムライン
| 日付(暦種別を明記) | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 1979年5月3日(グレゴリオ暦) | 総選挙の投票が行われた | [SRC-02116][SRC-02117][SRC-02111] |
| 1979年5月4日 未明(グレゴリオ暦) | フィンチリー選挙区の開票が終わり、サッチャーが下院議員として再選される | [SRC-02111] |
| 1979年5月4日 午前11時20分ごろ(グレゴリオ暦) | サッチャーがフラッド・ストリート19番地の外で女王への謁見時期を問われ「辛抱、辛抱」と答える | [SRC-02112] |
| 1979年5月4日(時刻不詳・グレゴリオ暦) | サッチャーがバッキンガム宮殿で女王に謁見し、新政権組織の要請を受諾する | [SRC-02110] |
| 1979年5月4日 午後4時8分ごろ(グレゴリオ暦) | サッチャーがダウニング街10番地の外で就任後最初の発言を行う | [SRC-02110] |
異説・論争定説のない論点があります
「初の女性首相」の範囲(異説ではなく範囲の相違): 本記事が「イギリス史上初の女性首相」と記すのは、イギリスという国の範囲に限った命題である。ブリタニカは同じ出来事を「欧州初の女性首相」["Europe's first woman prime minister"]と表現しており[SRC-02115]、イギリスよりも広い地域区分(欧州)を基準とした表現を用いている。また、サッチャー財団が転載した地方紙バーネット・プレス(1979年5月11日付)の記事は、開票会場の情景を記す一文として「この夜、彼女は西側主要国で初の女性首相になった」["On a night when she became the first woman Prime Minister of a major western nation"]と記しており[SRC-02111]、1979年当時の報道はさらに広い範囲(西側主要国)での「初」を伝えていた。本記事はこの射程を採用するものではなく、当時の報道にそのような表現があったことを開示する。本サイトが確認した範囲では、「世界初の女性首相」という表現を用いる出典は見当たらなかった。本記事は、イギリスという国の範囲における「初」であることを明示し、それより広い地域・世界全体における「初」を主張するものではない。
確認された異説: なし(調査範囲: Margaret Thatcher Foundationが保存するサッチャー本人の発言記録および同時代報道の転載〔1979年5月4日・5日・11日付、計3件〕、GOV.UKの歴代首相記録、BBC「On This Day」1979年5月4日付記事、ブリタニカ百科事典記事、英国議会公式記録Hansard〔1979年3月29日付、貴族院・庶民院の2件〕)。本記事が扱う就任の日付(1979年5月4日)・就任の経緯(総選挙の結果を受けた女王との謁見)・前任者(ジェームズ・キャラハン)について、これらを記載する出典の間で実質的な対立は見当たらなかった。なお、総選挙の投票日(1979年5月3日)は、英国議会の公式記録(Hansard)が1979年3月29日の貴族院・庶民院の双方で政府により木曜日(5月3日)として公表されたことを記録している[SRC-02116][SRC-02117](詳細は本文・タイムライン参照)。
サッチャーの在任中の政策とその評価については、今日まで議論が続いているが、これは現代の評価・解釈に関わる論点であり、本記事はその是非の判断には立ち入らない(本サイトの整理)。本記事が扱うのは、1979年5月4日の首相就任という出来事そのものの経緯である。
| 論点 | 説 | 根拠・出典 | 学界での位置づけ |
|---|---|---|---|
| 該当なし(調査範囲は上記のとおり) | — | — | — |
関連する出来事
- 1975年、サッチャーは保守党党首選挙でエドワード・ヒースを破り、党首に就任した(本記事の主題の射程外)[SRC-02113]。
- 1979年5月、総選挙で保守党が勝利した(本記事の関連出来事)[SRC-02113][SRC-02114]。
- サッチャーは1990年まで首相を務めた(本記事の主題の射程外。在任中の個別の政策とその評価は本記事では扱わない)[SRC-02113][SRC-02115]。
関連人物
- マーガレット・サッチャー(まーがれっと・さっちゃー): 1979年5月4日にイギリスの首相に就任した保守党の政治家[SRC-02110][SRC-02113]。1925年10月13日、イングランド・リンカンシャー州グランサム生まれ[SRC-02115]。
- ジェームズ・キャラハン(じぇーむず・きゃらはん): サッチャーの前任のイギリス首相(労働党)。1979年5月4日、サッチャーに首相職を引き継いだ[SRC-02113][SRC-02114]。
- 女王(当時の英国君主): サッチャーに新政権を組織するよう要請した女王。サッチャーは1979年5月4日、バッキンガム宮殿で女王に謁見した[SRC-02110]。
歴史的意義
サッチャーの首相就任は、イギリスの歴史上初めて女性が首相の職に就いた出来事であり、1979年から1990年まで続く3期にわたる在任の始まりだった[SRC-02113][SRC-02115]。本記事が確認した出典の範囲では、就任という出来事そのものの意義にとどめ、在任中の個別の政策とその評価には立ち入らない。
現代の視点
サッチャーは1990年まで3期にわたり首相を務めた[SRC-02113][SRC-02115]。在任中の個別の政策とその評価については、今日まで議論が続いているが、これは現代の評価・解釈に関わる論点であり、本記事はその是非の判断に立ち入らない(本サイトの整理)。本記事が扱うのは、1979年5月4日の首相就任という出来事そのものの経緯である。
出典一覧
- [SRC-02110] Remarks on becoming Prime Minister (St Francis's prayer)/Margaret Thatcher Foundation(ランクA)
- [SRC-02111] Speech on being reelected MP for Finchley/Margaret Thatcher Foundation(ランクA)
- [SRC-02112] Remarks in Flood Street ("patience, patience")/Margaret Thatcher Foundation(ランクA)
- [SRC-02113] History of Baroness Thatcher — Past Prime Ministers/GOV.UK(英国政府)(ランクS)
- [SRC-02114] 1979: Election victory for Margaret Thatcher — On This Day/BBC(ランクB)
- [SRC-02115] Margaret Thatcher | Biography, Policies, Falklands War, & Facts/Encyclopaedia Britannica(ランクB)
- [SRC-02116] Dissolution of Parliament — House of Lords, 29 March 1979 (Hansard)/UK Parliament (Hansard)(ランクS)
- [SRC-02117] Representation of the People Bill — House of Commons, 29 March 1979 (Hansard)/UK Parliament (Hansard)(ランクS)
本文中の [SRC-nnnnn] はこの一覧の番号を指します。各出典の所在・参照日・信頼度の判定は検証記録で確認できます。
訂正履歴
| 版 | 日付 | 事実主張への変更 |
|---|---|---|
| 1 | 2026-10-03 | あり |
| 2 | 2026-10-03 | あり |
| 3 | 2026-10-03 | あり |
| 4 | 2026-10-03 | なし |
| 5 | 2026-10-09 | なし |
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