1836年世界 19世紀

サミュエル・コルト、リボルバー拳銃の特許取得

日付と暦

原典表記
1836年2月25日(グレゴリオ暦)
換算
1836-02-25(グレゴリオ暦)
掲載日
2月25日のページ

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概要

1836年2月25日、合衆国特許局はコネチカット州ハートフォード在住のサミュエル・コルトに「回転式銃」(Revolving Gun)の特許(Google Patentsの公開番号USX9430I1、明細書表題「Improvement in Fire-Arms」)を付与した[SRC-01537]。この特許は、ハンマーを起こす動作に連動してシリンダーが回転し、次の薬室を銃身正面に合わせる機構を記載しており、装填の容易さ・構えの安定・連射速度の向上を利点として挙げている[SRC-01537]。HISTORYは、この機構をボストンの発明家エライシャ・コリアーが先に特許化していた回転式フリントロック機構と比較し「発明というよりむしろ改良」とみる評価を紹介する一方、コルトはこの米国特許に先立つ1835年10月に英国特許も取得していたと記す[SRC-01538]。資金確保のため、コルトはそれ以前の約3年間、笑気ガスの実演興行で資金を稼いだ[SRC-01539]。

本文

コルトは1814年7月19日、コネチカット州ハートフォードで生まれた[SRC-01538]。16歳の頃、商船コルヴォ号でロンドン・カルカッタへの航海に出て、舵輪の回転・固定機構に着想を得て火器へ応用したという[SRC-01538][SRC-01540]。航海中には、6発分の薬室を持つ回転式シリンダーの木製模型を彫った[SRC-01540]。1831年に帰還後、父の資金で試作銃を2丁作らせたが、1丁目は発火せず2丁目は破裂した[SRC-01540]。資金が尽きたコルトは「ドクター・コルト」を名乗り、北米各地で笑気ガスの実演興行を約3年間行って資金を稼いだ[SRC-01539]。

こうして得た資金と家族の援助により、コルトは1835年10月に英国特許を取得し[SRC-01538]、続いて1836年2月25日、合衆国特許局から「回転式銃」の特許(付与当時の番号138、後に9430Xへ整理)を取得した[SRC-01538][SRC-01539]。明細書に記載された日付は「Letters Patent dated February 25, 1836」のみであり、出願書類の提出日を示す別の日付は明細書中に見当たらない[SRC-01537]。明細書は、ハンマーを起こすとキーが外れてリフター(lifter)がラチェットを介しシリンダーを回転させ、次の薬室を銃身正面に合わせる機構を記し、装填の容易さ・構えの安定・連射速度の向上を利点に挙げる[SRC-01537]。

同年、コルトは家族の資金提供を受け、ニュージャージー州パターソンのパテント・アームズ社で拳銃3種・ライフル2種の製造を開始した[SRC-01538][SRC-01541]。

歴史的背景

コルトの特許明細書は雷管(パーカッションキャップ)方式の火器として記載されている[SRC-01537]。回転式シリンダーで単発銃より多くの弾を連続発射するという着想自体はコルト以前にも存在し、HISTORYは、ボストンの発明家エライシャ・コリアーがコルトに先立ち回転式フリントロック機構の特許を取得していたと記す[SRC-01538]。ただし本サイトが確認した出典の範囲では、両者の機構を技術的に比較した記述はない(調査範囲: SRC-01537〜41)。特許取得当時のコルトは資産を持たない20代前半で、資金は笑気ガスの興行と家族の援助で賄われた[SRC-01538][SRC-01539][SRC-01540]。

タイムライン

日付(暦種別を明記) 出来事 出典
1814年7月19日(グレゴリオ暦) サミュエル・コルト、コネチカット州ハートフォードで誕生 [SRC-01538]
1830年(グレゴリオ暦) コルト、商船コルヴォ号で航海に出る [SRC-01538][SRC-01540]
1830年(グレゴリオ暦) 航海中に6発分の薬室を持つ回転式シリンダーの木製模型を製作 [SRC-01540]
1831年(グレゴリオ暦) ボストンへ帰還。試作銃2丁を製作するが、いずれも失敗 [SRC-01540]
1835年10月(グレゴリオ暦) 英国特許を取得(HISTORYのみが時期を記す) [SRC-01538]
1836年2月25日(グレゴリオ暦) 合衆国特許局が「回転式銃」の特許(Google Patents公開番号USX9430I1)を付与(本記事の配置日) [SRC-01537][SRC-01538][SRC-01539]
1836年(グレゴリオ暦) ニュージャージー州パターソンのパテント・アームズ社で製造開始 [SRC-01538][SRC-01541]
1842年(グレゴリオ暦) パテント・アームズ社が廃業、資産が競売にかけられる [SRC-01538][SRC-01541]
1846年(グレゴリオ暦) 米墨戦争下、陸軍がコルト拳銃1,000挺を発注 [SRC-01538][SRC-01540]
1847年(グレゴリオ暦) 発注分がコルトから陸軍へ納入される [SRC-01538][SRC-01541]
異説・論争定説のない論点があります

本サイトが確認した出典の範囲では、1836年2月25日に特許が付与されたこと自体に異論はない。一方で、この機構の独自性・先行性の評価と、特許の付与当時の番号表記については、出典によって幅がある[SRC-01538][SRC-01539][SRC-01540]。

論点 説 根拠・出典 学界での位置づけ
機構の独自性・先行性の評価 コルトの機構は、ボストンの発明家エライシャ・コリアーが先に特許化していた回転式フリントロック機構の改良に近く、「発明というよりむしろ改良」とみなされることがある HISTORYは「Colt's revolver mechanism is considered by some to be more innovation than invention because it improved upon a revolving flintlock ... already patented by Boston inventor Elisha Collier」と記す[SRC-01538] 単一の報道機関による評価。本サイトはコリアーの特許原文には到達していない
同上 コルトは「最初の実用的回転式拳銃の決定的部分の発明者」になったと評される ConnecticutHistory.orgは「Colt thus became the inventor of what would be the definitive part of the first successful revolver.」と記す[SRC-01540] 単一の公共史サイトによる評価。両評価は対立するが、本サイトはいずれかを正しいと判定しない
米国特許の付与当時の番号表記 特許は付与当時「米国特許番号138」として記録されたとする説がある(後に9430Xへ整理) ConnecticutHistory.orgは「US patent number 138, later known as 9430X」と記し[SRC-01539]、HISTORYも「U.S. Patent No. 138 (later 9430X)」と記している[SRC-01538] 米国特許明細書原文(SRC-01537)自体には「138」の番号記載を確認できていない。運営の異なる2サイトが一致するため probable 扱いとする

関連する出来事

関連人物

歴史的意義

特許明細書自体が挙げる利点のとおり、この機構は単発銃に比べ装填の手間を減らし連射を速くするものだった[SRC-01537]。HISTORYは、単発銃で約20秒を要した再装填に比べ、この機構により6発を連続発射できる点が「開拓地で危険に遭遇する兵士や入植者にとって重要な利点」になったと評している[SRC-01538]。もっとも同じHISTORYの記事は、コルトが陸軍長官のもとへ政府契約を求めて赴いた際、陸軍がコルト銃の雷管方式を「革新的すぎて信頼性を欠くおそれがある」と判断したことも記しており、当初から軍や社会に無条件で受け入れられたわけではなかった[SRC-01538]。ConnecticutHistory.orgも、フロリダでの鎮圧作戦向けの発注要請が陸軍兵器局長の消極姿勢により3年近く遅れたことを独立に記録している[SRC-01540]。パテント・アームズ社は政府契約を十分に得られないまま1842年に廃業しており、この特許の実用化・普及は取得から10年以上を経た米墨戦争期の需要増加を待つことになった[SRC-01538][SRC-01541]。

現代の視点

HISTORYは、コルトを「巧みな宣伝者」(an effective promoter)とも評し、南北戦争開戦までに「おそらく世界で最もよく知られた銃器」にコルト拳銃を押し上げたと記している[SRC-01538]。これは機構そのものの革新性だけでなく、コルト自身の販売戦略が銃の知名度形成に寄与したことを示す評価であり、本サイトはこの点についても単一源の評価として扱う(本サイトの整理)。

出典一覧

  1. [SRC-01537] USX9430I1 - Improvement in Fire-Arms(Samuel Colt、米国特許明細書)/Google Patents(原本: 合衆国特許局 United States Patent Office。現在の米国特許商標庁 USPTO の前身)(ランクS)
  2. [SRC-01538] Samuel Colt/HISTORY(A&E Networks運営、HISTORY.com Editors)(ランクB)
  3. [SRC-01539] The Revolving Gun – Today in History: February 25/ConnecticutHistory.org(a CTHumanities Project)(ランクB)
  4. [SRC-01540] Samuel Colt: From Yankee Peddler to American Tycoon/ConnecticutHistory.org(a CTHumanities Project)(ランクB)
  5. [SRC-01541] The Colt Patent Fire-Arms Manufacturing Company/ConnecticutHistory.org(a CTHumanities Project)(ランクB)

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訂正履歴

版日付事実主張への変更
12026-09-18—
22026-09-18あり
32026-09-19なし

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