1971年世界 20世紀

アポロ14号は、アポロ13号が目指しながら到達できなかったフラ・マウロ高地に着陸した——シェパードは、船外活動の終わりにゴルフクラブを振った

日付と暦

原典表記
1971年2月5日(グレゴリオ暦)
換算
1971-02-05(グレゴリオ暦)
掲載日
2月5日のページ

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概要

1971年2月5日(協定世界時09時18分11秒/米東部標準時04時18分11秒)、アポロ14号の月着陸船アンタレスが月のフラ・マウロ高地に着陸した[SRC-01379]。船長アラン・B・シェパードと月着陸船操縦士エドガー・D・ミッチェルが月面へ降り立ち、司令船操縦士スチュアート・A・ルーサは司令船キティホークに単独で残って月周回軌道上にとどまった[SRC-01377][SRC-01379]。フラ・マウロ高地は、前年のアポロ13号が目指しながら酸素タンク爆発事故のため到達できなかった着陸予定地であり[SRC-01377][SRC-01380]、スミソニアン国立航空宇宙博物館はこの着陸を、有人としては3度目の月面着陸と位置づけている[SRC-01380]。2回の船外活動でシェパードとミッチェルはアポロ月面実験一式(ALSEP)の設置とコーン・クレーター周辺での試料採取を行い、その終盤、シェパードは密かに持ち込んだ6番アイアンのヘッドでゴルフボールを打った[SRC-01377]。

本文

月周回軌道投入は1971年2月4日に行われ、アンタレスとキティホークはその後分離した[SRC-01377]。14周目で動力降下を開始する際、誘導コンピュータの不具合が着陸を中止させかねなかったが、これを乗り越えて降下を続けた[SRC-01377]。この降下開始の「ゴー」を出したキャプコムのフレッド・ヘイズは、前年のアポロ13号で酸素タンク爆発がなければ自らフラ・マウロに着陸していたはずの飛行士であり、NASA History Officeの記事はこの巡り合わせを「皮肉な巡り合わせ(an ironic twist)」と表現している[SRC-01377]。着陸レーダーの設定に一時懸念が生じたが、降下はその後順調に進んだ[SRC-01377]。シェパードは燃料残量約60秒でアンタレスを軟着陸させた。着陸船は7度の傾斜地に収まり、NASA History Officeの記事はこれを機体が対応できる範囲内だったと記している[SRC-01377]。

着陸から約5時間後、シェパードが先に月面へ降り立ち、月面を歩いた5人目の人物となった。ミッチェルは5分後に合流した[SRC-01377]。第1回船外活動ではALSEPと関連実験がアンタレスの西側に設置され、活動時間は4時間48分だった[SRC-01377]。

4〜4.5時間の睡眠ののち、2人は約1マイル離れたコーン・クレーターへの踏査を主目的とする第2回船外活動に臨んだ[SRC-01377]。起伏に富んだ地形のため移動の把握が難しく、知らぬ間にクレーター縁から150フィート以内まで接近していた[SRC-01377]。ミッチェルはサドル・ロックの試料を採取し、2人はさらにミッション最大となる19.8ポンドの岩「ビッグ・バーサ」を採取した[SRC-01377]。活動の終盤、ゴルフ愛好家だったシェパードは6番アイアンのヘッドを非常用試料採取ツールの柄に取り付け、テレビカメラの前でボールを落とした[SRC-01377][SRC-01380]。1球目は片手スイングで3回挑み、1打目はボールの上部を叩く当たりそこねに終わり、2打目は2〜3フィートしか飛ばず、3打目でようやく約24ヤード飛んで近くのクレーターに落ちた[SRC-01377]。続けて2球目を打ち、本人はその場で「何マイルも何マイルも」飛んだと述べたが、NASA History Officeの記事は実際の飛距離を約40ヤードと記録している[SRC-01377]。第2回船外活動は4時間35分で、2回の合計は9時間22分に達した[SRC-01377]。シェパードは月面での最後の言葉として「アンタレスの乗員はフラ・マウロ基地を離れる」と述べた[SRC-01377]。

歴史的背景

アポロ14号は1971年1月31日、ケネディ宇宙センター第39発射施設Aから打ち上げられた[SRC-01378]。技術者らは、前年アポロ13号を致命的な状況に陥れた事故の再発を防ぐため宇宙船に改修を加えていた[SRC-01378]。船長シェパードは、1961年のフリーダム7号飛行で米国人として初めて宇宙へ飛行したことで知られ、アポロ14号が自身最後の宇宙飛行だった[SRC-01380]。ルーサ、ミッチェルにとっては、いずれもアポロ14号が最初で唯一の宇宙飛行だった[SRC-01380]。

タイムライン

日付(暦種別を明記) 出来事 出典
1971年1月31日 16時03分02秒(米東部標準時、協定世界時21時03分02秒)(グレゴリオ暦) アポロ14号、ケネディ宇宙センター第39発射施設Aから打ち上げ [SRC-01378][SRC-01379]
1971年2月4日(グレゴリオ暦) 月周回軌道投入。月着陸船アンタレスと司令船キティホークが分離 [SRC-01377]
1971年2月5日 04時18分11秒(米東部標準時、協定世界時09時18分11秒)(グレゴリオ暦) 月着陸船アンタレス、フラ・マウロ高地へ着陸 [SRC-01379]
1971年2月5日(着陸当日、出典に暦日の明記なし。着陸時刻からの導出)(グレゴリオ暦) 第1回船外活動(4時間48分)。ALSEP設置 [SRC-01377]
(着陸の翌日、出典に暦日の明記なし) 第2回船外活動(4時間35分)。コーン・クレーター踏査、シェパードのゴルフショット [SRC-01377]
1971年2月9日 16時05分00秒(米東部標準時、協定世界時21時05分00秒)(グレゴリオ暦) 地球へ帰還 [SRC-01379]
異説・論争定説のない論点があります

シェパードの2球目のゴルフショットの飛距離: NASA History Officeの記事は、シェパードが2球目を打った直後、その場で「何マイルも何マイルも(miles and miles and miles)」飛んだと述べたと記す一方、同じ記事の中で「実際には(In actuality)」約40ヤード、ALSEP設置地点の方向へ飛んだと記している[SRC-01377]。本サイトは、シェパード本人の現場での発言と、記事執筆者による実際の飛距離の記述という、同一出典内の2つの記述をいずれも掲載する。

本サイトが確認した4出典(NASA History Officeの記事2件・NASAゴダード宇宙飛行センターNSSDCA・スミソニアン国立航空宇宙博物館)の範囲では、着陸日時・着陸地点・乗員構成・フラ・マウロ高地とアポロ13号との関係について、対立する記述は確認されなかった。

論点 説 根拠・出典 学界での位置づけ
シェパードの2球目のゴルフショットの飛距離 シェパード本人の現場での発言:「何マイルも何マイルも(miles and miles and miles)」 NASA History Officeの記事[SRC-01377] 記事は同人の発言としてそのまま紹介する
(同上) 実際の飛距離は約40ヤード NASA History Officeの記事[SRC-01377] 記事執筆者自身が「実際には」として付す記述

関連する出来事

関連人物

歴史的意義

NASA History Officeの記事は、シェパードとミッチェルによる2回の船外活動の合計時間(9時間22分)と採取試料量(93ポンド)を、いずれも記録的だったと記している[SRC-01377]。アポロ14号は、前年に酸素タンク爆発事故のため着陸を果たせなかったアポロ13号の目的地への到達を果たし、スミソニアン国立航空宇宙博物館はこれを有人による3度目の月面着陸と位置づけている[SRC-01380]。

現代の視点

NASA History Officeの記述に従えば、シェパードのゴルフショットは、第1回船外活動の主要な目的だったALSEPの設置と、第2回船外活動の主要な目的だったコーン・クレーターへの踏査が、いずれも完了したのちに行われた[SRC-01377]。スミソニアン国立航空宇宙博物館は、シェパードが宇宙服のポケットに携行した改造ウィルソン製6番アイアンについて「物品ハイライト」として複製を紹介しており、飛行後にシェパードがオリジナルのクラブヘッドをニュージャージー州の全米ゴルフ協会殿堂に、複製を1975年に同館のコレクションに寄贈したと記している[SRC-01380]。本サイトが確認した出典の範囲では、このゴルフショットそのものを科学的価値の観点から評価する記述は確認できなかった(本サイトの整理)。

出典一覧

  1. [SRC-01377] 50 Years Ago: Apollo 14 Lands at Fra Mauro/NASA(Johnson Space Center/NASA History Office)(ランクA)
  2. [SRC-01378] 50 Years Ago: Apollo 14 Launches to the Moon/NASA(Johnson Space Center/NASA History Office)(ランクA)
  3. [SRC-01379] Apollo 14/NASA Space Science Data Coordinated Archive(NSSDCA)/NASAゴダード宇宙飛行センター(ランクS)
  4. [SRC-01380] Apollo 14/国立航空宇宙博物館(National Air and Space Museum, Smithsonian Institution)(ランクA)

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訂正履歴

版日付事実主張への変更
12026-09-17あり
22026-09-17あり
32026-09-17あり

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